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テクノとかエレクトロとか

クラブミュージック全般について書きたいです。

Trans-Europe Expless / Kraftwerk(77)

 

Trans-Europe Express

Trans-Europe Express

 1.Europe Endless<ヨーロッパ・エンドレス>

2.Hall of Mirrors<鏡のホール>

3.Showroom Dummies<ショウルーム・ダミー>

4.Trans-Europe Expless<ヨーロッパ特急>

5.Metal On Metal<メタル・オンメタル>

6.Abzug<アップツァック>

7.Franz Schubertフランツ・シューベルト

8.Endless Endless<エンドレス・エンドレス>

 

邦題「ヨーロッパ特急」

1977年3月発売 [独32位/英49位/米119位]

 

カッコ良いジャケットだ

 

メッセージ性の強かった前作「Radio-activity」は「Autobahn」の様なヒットにはならず、その反動からか「ヨーロッパ横断鉄道」をテーマにしたアルバムを発表しました。前作と比べて大きなチャートの変化は見られないものの、時代を先取りしていたこのアルバムの内容は後にぐっと再評価されることになりました。

 

謡曲風のノスタルジックなシンセのメロディーが印象的なM3「Showroom Dummies」は80年代のニュー・ロマンティックのアーティスト達に大きな影響を与え、82年にはこの曲がイギリスでリバイバルヒットしました。

 

このアルバムのハイライトであるM4「Trans-Europe Expless」は列車の走行音をダンサンブルなビートに当てはめ、そのままの勢いでなだれ込むM5「Metal On Metal」は1度列車のビートのみになり、そこからミニマルミュージックの様に新たなパーカッションパートが段々と積み重ねっていき、独特な盛り上がりを聴かせてくれます。このダンサンブルなドラムフレーズのみが強調される所は、同じ頃にアメリカのブロンクスで発祥したブレイクビーツミュージックを彷彿とさせます。ブロンクス生まれでヒップホップの始祖と言われているアフリカ・バンバータクラフトワークの音楽にファンクを見出し、彼の82年のシングル「Planet Rock」で「Trans-Europe Expless」のストリングシンセのメロディーとその後の「Numbers」のリズムトラックを大胆にサンプリングした事でも有名です。

 

M1「Europe Endless」はこれまでの彼らの曲の中で最もポップでキャッチーです。ベースサウンドとマシンビートが更に強固になったこともあってか、クラフトワークで初めて体を揺らせる楽曲と言えるのではないでしょうか。続くM2「Hall of Mirrors」はチェンバロ風シンセ、空間の作り方、すべてが美しいとても上品な楽曲です。

 

ヴォーカルの比重も大きくなり、どの曲もポップで聴きやすさを十分に持っていながら徹底して少ない音数でミニマルに仕上げる曲作りによって、飽きを全く感じさせません。今ではクラフトワークの最高傑作と称する声も少なくありません。それにしても毎回違ったアプローチで挑みつつ、アルバムとして常に最高傑作を更新し続けている所に驚かされます。