テクノとかエレクトロとか

クラブミュージック全般について書きたいです。

Ralf and Florian / Kraftwerk(73)

Ralf and Florian

 

1. Elektrisches Roulette
2. Tongebirge
3. Kristallo
4. Heimatklänge
5. Tanzmusik
6. Ananas Symphonie

 

73年10月発売 [米160位]

 

公式音源で聴きたいんです・・・!

 

クラフトワークは1970年、ドイツのデュッセルドルフで結成。
電子音楽をポップミュージックとして機能させ、その後のハウス、エレクトロなどのアーティスト達に大きな影響を与えました。

 

このアルバムはクラフトワークにとっての3枚目のアルバムで、次作「Autobahn」で彼らは本領を発揮し、世界的にヒットするのですが、このアルバムを含めたこれまでの3枚(前身バンド「Organisation」のも含めると4枚。)は、新たなる音楽のジャンルを模索していた時期でもありました。「実験的」、「前衛的」とよく言われている通り、テクノよりもプログレッシブロックの感覚に近いと思います。(メンバー自身もこの3作に関して語ることはほとんどなく、2009年の全作品リマスター再発売時にもこの3作は含まれておらず、現在も公式では聴けない状態です。)

 

クラフトワークはラルフ・ヒュッターとフローリアン・シュナイダーの2人が中心人物で、このアルバムも2人だけで作っています。しかし、その後のクラフトワーク作品の歌詞やイラストを担当することになるエミール・シュルトがここから参加し、主にビジュアル面で大きく貢献することになります。「Ralf and Florian」というアルバムタイトルや、2人の明るい表情が大きく映っているアルバムジャケットなど、それまでのドライな印象から、親しみやすさを持たせるのが狙いだったそうです。ポップさは中身にも現れています。

 

インダストリアル、ミュージックコンクレート、リズムマシンと自作の電子ドラムの導入、楽器へのエフェクトやステレオ効果など、これまでに彼らが行ってきた実験がアルバム1枚の中に上手く収まっており、尚且つリズムマシン、エレクトロニクス(電子的サウンド)は前2作より更に強調されて使われています。M3「Kristallo」のベースサウンドはその後のアシッドハウスを予感させるし、反復のビートやヴォコーダーの導入など、その後のクラブミュージックでは定番の要素がこの時点でふんだんに詰め込まれています。

 

M2「Tongebirge」、M4「Heimatklänge」のようなアンビエント調の楽曲などもあり、アルバム通して聴きやすいです。曲の構成など荒削りな所もありますが、何かが完成される直前の手探り感が存分に味わえて、今となっては大変貴重な作品なのではないでしょうか。